焙煎機をメンテナンスをすると、コーヒーの味わいがどう変わるの?
昨日、一昨日と高槻店業務終了後、焙煎機のメンテナンスをしました。
1日は焙煎機をバラし、内側についた汚れを落とす作業。
2日目は煙突掃除。
これは結構大がかりのメンテナンスになるため、業務時間内にするとお客さんへご迷惑となりますので、閉店後の作業になります。
今回もしっかりと綺麗にしました。
このメンテナンスをするかしないかによって、どんな味わいの変化があるのか、今回は直接、家でコーヒーを淹れるために参考になることではありませんが、雑学程度に読んで頂ければ嬉しいです。
こんにちは 焙煎アーティスト 島規之です。
焙煎機のメンテナンスで味わいはどう変化する?
さて焙煎機のメンテナンスとは。
ここから少し簡単に説明しますね。
コーヒー豆を焙煎すると煙がでます。
その煙はファンで強制的にダクトを通り、排気されます。
釜で撹拌されているコーヒー豆から出る煙がファンによって吸い込まれ、ファンによって煙突へ運ばれます。
自然の摂理で、熱い空気は上へ上へと上がるので、煙突にまで煙が運ばれたら上に上がり、煙突のトップまで勝手に行き、そして空へ散ります。
その煙の通路が汚れるのですね。
なぜか。
コーヒー豆が焙煎されてでる煙には脂分が含まれています。
これが、冷やされることによって、ダクトの内側にこびりついていきます。
動脈硬化と同じで、どんどん脂分が付いていけば煙の通路は狭くなり、煙は?
そうですね、通れなくなります。
これがある程度付きはじめると、こもったような味わいになるのですね。
これを掃除せずにほっておくと味わいにも悪い影響もありますが、最悪の場合、火事につながっていきます。
なので、メンテナンスは味わいの面と火事を防ぐ安全面から必要な作業となります。
メンテナンスのタイミングは?
先ほども書きましたように、脂分がダクト内に詰まってくると、こもった味わいになるんですね。
これは日々飲んでいる自分の焙煎したコーヒーを味見して知る以外にないです。
またある一定期間毎に定期的に行うか、です。
そうしてメンテナンスをした後のコーヒー豆は、煙がよく抜けるので、コーヒー豆を幾分かふっくら仕上がり、香りの出方もじゃっかんですが、強くなり、味わい的には透明感が強くなります。
では、メンテナンスする前はどうやって、メンテナンスした直後の味わいをどう再現しているのか、というとこのダンパーという箇所が重要なキーマンになります。
これは排気ファンの強さを調整できるのですね。
常に全開にしているわけではないので、煙が通るそのダクトのつまり具合を頭でイメージしながら、このダンパーの開閉度を調節している、というわけです。
それも日々の自分の焙煎したコーヒーの味わいを確かめてそれをしている、ということなんですね。
なかなか奥が深いでしょ。
美味しいコーヒーを焙煎するために、焙煎士には焙煎をする技術とメンテナンスができる技術が必要です。
ということで高槻店の焙煎機は完了です。
来月は岡町本店の焙煎機のメンテナンスをします。
では、コーヒーブレイクにしましょうか。
薫る島珈琲をもう一杯。
いつもありがとうございます。
焙煎アーティスト 島規之

島 規之

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