外資系コーヒーチェーンが日本のコーヒーの歴史に刻んだこと
職業柄としてどうしても、家族などでお店に行くと店内を見渡してしまいます。
スタッフの動線がどうなっているのか、内装は、設備は、メニューは、などなど口に出してものを言うわけではありませんが、何か吸収できるものはないか、鷹の目になってしまいます。
家族で一緒にいる時はそんな事考えず、その時を楽しんでたらいいのだけど、お客になったときこそお客様の考えや気持ちを知るときなので、きっとこの先もこのままなんだろうなぁと思い、ふと苦笑いしてしまいます。
1996年8月にスターバックスが銀座に1号店を出してからというもの、喫茶マーケットは にわかにヒートアップし、僕の中では喫茶からカフェという文化へ様変わりしていった、そんな風に感じてきました。
時々、高槻店で若いお客様を接客していると感じる事があります。
僕らの若い頃の喫茶文化とは明らかに違う、カフェ文化が育っているなぁと。
外資系コーヒーチェーン店に入り、コーヒーをオーダーする。
時々しかありませんが、その時は先に書いたように鷹の目になってお店をそれこそ舐めるように見てしまいます、あっ、さりげなくですよ。(笑)
まず合理的にできていること。
コーヒー屋が喉から手が出るほど欲しいと思うマシーンがずらりと並び、オペレーションしやすいようになっている。
店内で紙コップでコーヒーを飲む、というコーヒー屋の発想は日本ではありえなかったのでは、と思ってます。
僕の中では日本人には千利休などが築いたお茶の文化というDNAを持ち、ことのほか「うつわ」というものにただならぬポリシーというか、愛着というか、愛があると思ってます。
お茶の時間はきちんとしたカップで飲みたい、それがごく自然で当たり前の文化だった日本に、一矢放ったとも言えると考えています。
紙コップ使用する、洗い物をしないで良いという時間の短縮が経営者側にとっての魅力になります。(リサイクルという視点で考えた時にどうか、もありますが)
テイクアウトも店内も同一レジ行う、全ての行程で人を最小限で出来る様に工夫がしてあるなぁ、と僕の目には入りました。
そしてカウンターがない、厨房を眺めながら座るカウンター席がない。
コーヒーを楽しむ以外に、お店の人とおしゃべりも楽しみたい方もおられます。
実はそこにお客様とのトラブルが起こったりすることもありますし(実際、僕が高校の時にアルバイトしていた喫茶店ではありました)、仕事の手を取られてしまうこともあります。
カフェなど飲食店を経営するのに当たって、人の手配、それから人件費などのことにおいて、少人数でまかなえられるよう、すべて合理化している。
それらがコーヒー屋の僕から見た強い印象である「合理的」でした。
店内における内装もオシャレで、随所にこだわりを感じるし、自分がコーヒーを
飲んでいても居心地良いなぁと思います。
なぜ僕がこんな事を書いているかというとですね、
最近、多くの若いお客様は高槻店に入り、まずレジに向かって来られます。
そして注文をしてお金を払ってから着席する、そうしたシステムが自然と身についているせいか、高槻店に来られてもそのようにされるのです。
それが迷惑だと言っているわけでも何でもないので、安心してくださいね。
僕らの年代だとセルフサービスのコーヒー屋の方が珍しかったわけで、まず席に着いたらお水である「お冷」を持ってきてもらってメニューを見る、そしてウエイター、ウェイトレスさんにオーダーをする、この流れが当たり前だったのです。(高槻店はこの流れです)
でも今の若い人達は違うんだなぁと、外資系コーヒーチェーンの影響がじわじわ浸透していることを、自分の直ぐ近くで肌で感じているわけなんです。
こうしたいろんな影響を受け、日本のコーヒーという文化が如実に変化している、そんなふうに感じています。
外資系コーヒーチェーンが日本に輸入され、日本のコーヒー業界で圧巻の存在になり、次にコンビニ業界のコーヒー商戦が活発化した、この次にコーヒーマーケットはどんな変化を見せていくのだろうか。
とにかく、迷いながらでも柔軟性を持って我が道をゆこう、一冊の古い本を見ていてそんな事を思ったことでした。
今日はそんな独り言ブログ、でした。
写真は読んでいた本 1999年5月に発行されたムックです、懐かしい事が沢山書かれていました。
薫る島珈琲をもう一杯。
いつもありがとうございます。
焙煎アーティスト 島規之
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島 規之

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