ブレンドはどんなイメージを持って合わせているのか
コーヒーのブレンドを説明するときに、よく用いるのがこの例え。
例えばブラジル・コロンビア・タンザニアの3つのコーヒー豆の銘柄を使いブレンドを作るとします。
これをバンドとして考えてみるのですね。
ブラジルはボーカルとギター、コロンビアはベース、タンザニアはドラム。
ひとつの楽器はひとつ音色で素晴らしく、その音色を聴かせてくれます。
バンドというのはいくつかの音色を複合して、新しい音楽、新しい曲になりますよね。
シングルオリジン(ストレート)は一つの楽器なら、コーヒーのブレンドはバンド、捉えるのは味覚と聴覚の違いがあれど、わかりやすい例えだと思っておりますが、いかがでしょうか。
ブレンドというのは、組み合わせて新しい味わいを創造し、それが表現されているコーヒーなのですね。
こんにちは 焙煎アーティスト 島規之です。
足りないところ補っていく
例えば島珈琲の定番ブレンド、ブレンド花は、ブレンドの名前はいろいろと変わってきた過去がありますが、開業当初から、ブレンドの内容は大きく変わることなく今日に至ります。
現在では、全て中焙煎(中煎り)のブラジル50%コロンビア25%タンザニア25%の割合で、配合を決め、ブレンドしてます。
なぜこの配合になったのか。
島珈琲のコーヒー豆のラインナップには、11種類の銘柄が揃っています。
あの豆とこの豆をブレンドすれば相性がいいけども、これとそれは相性があまり良くない、とかブレンドするにもコーヒー豆の相性があるのですね。
そのことを踏まえて配合を整えていきます。
配合すれば味わいがケンカしたり、逆に補い合って素晴らしい味わいになったり。
相性を探りながら、個々では足りない味わいをブレンドすることで補っていく、そんな感じです。
その相性は積み重ねてきた経験の中で知ったものであり、しかもそれは僕が焙煎してきたコーヒー豆だからこそ知っているわけで、どのコーヒーにも通ずることでもありません。
ですからブレンドはオリジナル性がすごく高い、ということなんですね。
何をどう補うのか
ブレンド花の場合、ブラジルがベースになります。
配合率が一番高いものがベースと呼ばれるわけですね。
ブラジルの舌触りのなめらかな味わいをベースとして、コロンビアの甘みが欲しいのでコロンビアをプラスし、でもこの2つだけではちょっとコクが足りないので、タンザニアの持つコクをここで表現してもらいたいのでタンザニアを配合する。
なめらかで甘みがあって、しかもコクがある、そこに爽やかな酸味が加わり全体的にマイルドで飲みやすい、優しい味わい、これが僕の作りたいブレンド花なんです。
この中の一つの銘柄、例えばコロンビアはナリーニョ地区のものを使ってますが、ショートして別の地区のものになるとします。
それだけでも全体のバランスは変わってきますので、その時は配合を少し変えて、味わいを整えます。
こういうことがあまりないようにしたいので、出来るだけ使う素材は年間使用量をある程度キープしてもらうように、お願いしております。
ブレンドの話だけでも深いので、コーヒーってほんとうに奥が深いなぁとつくづく思います。
少しでも知ってもらい、あなたのコーヒーライフが僅かでも楽しいものになってもらえたら、僕は嬉しいです。
それでは、今回はこのへんで。
焙煎アーティスト 島 規之
島 規之
最新記事 by 島 規之 (全て見る)
- ゴールデンウィークの準備はばっちりです (4940) - 2024年4月24日
- 悩むマンデリン (4939) - 2024年4月23日
- 特にカーブは汚れが溜まりやすい (4938) - 2024年4月22日
関連記事
-
コーヒーミルの刃はこちらです (4864)
島珈琲・高槻店で使うコーヒーグラインダーは、ドイツのマールクニック社のVTS6S3というもので、大き
-
中煎りのアイスコーヒーはコスタリカが旨い!
昨日、家に帰ると先日献血した時の、血液検査の結果のハガキが届いていました。 それぞれの数値が書いてあ
-
コーヒーを淹れるお湯の温度
たまにはコーヒー屋らしく コーヒーの記事を今日は コーヒーを入れるお湯の温度はいったい何
-
コーヒーはデリケート (4663)
娘は今日から夏休み。 お友達と前から「ひらパー」に行く約束をしていて、昨晩からソワソワ。  
-
自宅でもできる簡単なブレンドを作る
先日あった大阪北部地震で、島珈琲高槻店があるビルの2階の窓ガラスに、しかも強化ガラスですよ、それに大
-
今年はエチオピアモカの銘柄をチェンジします (4838)
僕だけじゃないと思いますが、突然急激な不安に襲われたり、かと思ったらなぜか根拠なき自信が溢れて来て、
- PREV
- 心傷んでも流れを止めないこと
- NEXT
- コーヒーにおけるクリーンな味わいって何なのか