深焙煎に向く豆、中焙煎に向く豆、それとも二刀流?
コーヒーの焙煎度合いは一般的に、ライト・シナモン・ミディアム・ハイ・シティ・フルシティ・フレンチ・イタリアンの8段階で表されます。
ライトからイタリアンに向かって焙煎度合いが進み、イタリアンローストは超深焙煎の度合いになります。
といっても、コーヒー焙煎に関わりないのない人にはパッとしませんよね。
島珈琲では、ミディアムローストもしくはハイロースト辺りを中焙煎と呼び、フルシティ辺りを深焙煎として、ラインナップで紹介しております。
お店によってその基準が曖昧なんですが、そこがコーヒーを難解にしている要因の一つかと思います。
フルシティローストは一般的には中深焙煎と呼ばれているところなんですが、島珈琲では深焙煎と称して販売しています。
曖昧でしょ。
こんにちは 焙煎アーティスト 島規之です。
深焙煎に向く豆・中焙煎に向く豆
これもお店によって、焙煎する人によって言うことが違いますので、あくまでも僕の目線でお話します。
ブラジル・コロンビアのコーヒー豆は、どちらがいいじゃなくて、オールランドプレイヤーでどの焙煎度合いでも、ある程度力を出してくれる豆なんですね。
島珈琲のラインナップにはありませんが、カリブ海系のコーヒー豆、ジャマイカのブルーマウンテン、キューバ、ドミニカ、パナマなど、この周辺の国々のコーヒーは深焙煎よりも中焙煎で持っている力を発揮します。
気候風土なんでしょうね。
カリブ海系のコーヒー豆は深焙煎にしすると味わいの個性がでず、中焙煎で使う方が力を発揮できます。
逆に中焙煎では味わいの個性がまとまっていないけど、深焙煎で味わいの個性を発揮する豆もあります。
島珈琲の場合は、インドネシア・スマトラ島原産のマンデリンコーヒーがそれです。
中焙煎ですと味わいがきつすぎるのですね、深焙煎ではそれが穏やかになって、個性となって味わいに残る、そんな感じです。
このように、中焙煎・深焙煎のどっちも大丈夫の二刀流のコーヒー豆と、どちらかだけのコーヒー豆があるんですね。
但し、使い分けるときもあります
今回、いつも使っているコロンビアがショート(在庫切れ)し、代替品として2つのコロンビアを商社さんが用意してくれました。
一つは前と同じ地区、一つは別の地区のモノ。
僕の場合、コロンビアでは中焙煎のコロンビアコーヒーには果実感を求めています。
あまく柑橘系のような感じで。
コロンビアの深焙煎には甘みとコクを求めています。
で、前に使っていた地区の違うものを取り寄せて、中焙煎・深焙煎を試したところ、中焙煎ではむむむな感じだったのですが、深焙煎ではすごく個性を出してくれたのですね。
結果、深焙煎用のコロンビアと中焙煎用のコロンビアと珍しく、コロンビアを2種類の銘柄を仕入れて使いわけることになりました。
いつも1つの銘柄を、中焙煎・深焙煎に使っていたんですね。
こうして、焙煎度合いによってもコーヒー豆を使い分けることもあります。
焙煎度合いでいろいろな味わいを発揮するコーヒー。
知れば知るほど奥が深いでしょ。
だから、とりこになっちゃんですね、コーヒー焙煎に。
そんなこんな、焙煎度合いのお話でした。
それでは。
いつもありがとうございます。
焙煎アーティスト 島規之

島 規之

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