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コーヒーのプロが教える「コーヒー種類」3つのヒント

「コーヒー種類」はいろいろありすぎてわからない!「コーヒー種類」によって味わいはどうちがうの?そんな方に順を追いながら「コーヒー種類」による味わいの違いについてお話をしていきます こんにちは! コーヒーの事ならおまかせください 焙煎アーティスト 島規之です

 

さて今回はコーヒー豆における「コーヒー種類」を説明していきます コーヒー屋にとって非常に説明のしにくいところですので あまり触れたくない(笑)ところですが あえて一般消費者の皆さんが「コーヒー種類」についてどんなことを知りたいだろうか?と胸でその言葉を反芻しながら 考えて書いていきますので お付き合いのほどよろしくお願いします

 

皆様はたぶん川下の部分をお知りになりたい方が圧倒多数と思いますが 川上から順に説明していかないと点は線にならないので 専門用語をかみ砕いて説明していきます 皆様のコーヒーライフの中でわかりにくい「コーヒー種類」についてヒントになれば嬉しいです

  • 目次
    はじめに
    1.お店による「コーヒー種類」の味わいの違い
    2.焙煎による「コーヒー種類」の味わいの違い
    3.産地による「コーヒー種類」の味わいの違い
    まとめ

はじめに

これをお読みの皆様はきっと「コーヒー種類」において知りたいことは コーヒーの生産国による味の違いだと思いますが その話をする前にコーヒー豆の系統をちょっと探っていきましょう

 

コーヒー豆はまず3つの種類に分けられています
アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種

リベリカ種というのはほとんど日本にはなじみのないコーヒーですので ここでの説明は除外します

 

ロブスタ種はというのは低産地での栽培に適し耐病性に強く また害虫にも強い
栽培しやすく環境適応性が大きい 丈夫・強いが持ち味で それらの理由から価格も一般に安い
品質はアラビカ種よりも劣り苦味が強い

ブレンドには配合されている場合もあるがアラビカ種の補充・増量用コーヒーとしての役割がおおく コスト面から缶コーヒーだったりインスタントコーヒー用に適しています よって私たちがロブスタ種 単体そのものを味わって飲むということはあまりないといえます

 

アラビカ種
コーヒー総生産量の70パーセント以上を占める主力品種アラビカ種
名称の起こりはアラビアにあるところからのようです 3種類のうちでもっとも品質価値は高いが他に比べ栽培は困難で耐病性も低い アラビカ種の中でまた枝分かれしていてティピカとブルボンという種があります
ティピカ・ブルボンは伝統的品種と呼ばれ このいずれかまたは両方の交配種・突然変異種が多くの品種の元と考えられ この2つが昔ながらの在来種として価値・品質・味わいなど貴重とされています

 

このことから品質価値 つまり味わいはアラビカ種が上になり ロブスタ種はアラビカ種より味わいは劣るということになります 私たちが「美味しい」と思い飲んでいるほとんどは アラビカ種ということを頭に入れておいてください

1.お店による「コーヒー種類」の味わいの違い

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お商売をしていてよく遭遇するシーンが 「ブルーマウンテンはどこのお店で買っても同じブルーマウンテンの味がする」 とまぁ そこまでは思ってなくてもそれに近い考えをお持ちの方が中にはおられます
だって味の違いが分かりにくいですもんね!

パン屋さんで考えるとどうでしょうか? 例えばメロンパン A店・B店あれば 味やつくりは似ているようで でもそれぞれ違う味わいのメロンパンですよね
コーヒーもそれと同じでまずお店が違えば味わいは違うものとなります

 

そしてもう一つ
例えばブラジルの~~州~~村~~農園産のコーヒー豆
日本のお米でいうと秋田県~~市○○さんの田んぼのお米 と新潟県~~市○○さんの田んぼのお米
この二つの味は違いますよね

というようにブラジルもかなり広いので一概にブラジルのコーヒー豆と言っても いろんなブラジル国内での産地があり ブラジルといっても一括りにできません

 

ここにコーヒー種類において味の違いを表現する難しさがあります

 

同じ生産国であっても 地方や農園によって味が違うことと そして販売・焙煎するメーカーやお店によっても味が違っていることを頭の隅にいれておいてもらい 焙煎による「コーヒー種類」における味わいの違いを書いていきます

2.焙煎における「コーヒー種類」の味の違い

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明確に言えば焙煎における味の違いは お店やメーカーによって違うものなので ここでいう1番目の項目に入るところですが あえて項目を別にして説明します

焙煎機にもいろいろあり機械の性能などで随分と変わってきます 料理で言うと 肉を網焼き出焼くのか フライパンで焼くのかによって味わいは少し変わってきますよね 焙煎機も見た目同じものだったとしても性能が違えば味は違いますし またそれを操作する人によっても変わってくるものです

 

そして更に焙煎度合いというものがあり 浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎り と日本では4段階でよく表現します
浅煎り=すっきり 中煎り=あっさりでちょいコク苦 中深煎り=苦味がやや全面にでてきて甘みも感じる 深煎り=苦味がメイン ほんとにざっくりとした説明ですが 味わいで言うところこんな感じです

 

但しその煎り加減が向き不向きな場合もあります 例えばグァテマラを浅煎りにすると酸味が強すぎて飲めない
またはキューバを深煎りしたがすっぽ抜けた味わいしかない という同一生産国の豆によっての共通した特性があり その焙煎度合いはその豆の持つ潜在能力を出し切れない もしくは出すところではない という場合もあります
これは焙煎する人の知識の問題ですが これも少し頭の隅に置いといてください

ここまでのおさらい

コーヒー豆はアラビカ種の方が美味しい・お店やメーカーによって同じ産地のコーヒーでも味は違う・焙煎度合い・浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りによっても味が変わる

 

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3.産地による「コーヒー種類」の味わいの違い

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コーヒー豆生産国による味の違い 皆さんの一番知りたいところはここではないか そう思っています
先の項目でも書きましたように 国の中でも地方で味わいがかなり違いがあり 国だけで味わいを語ってしまうのはとても難しい というのが味を知っている者の本音のところです

ですが それでは何の解決にもならないので どうすれば「わかりやすく違いをお伝えできるか」を考えた結果 グループごとにわけてやや大局的に説明しようと考えました

 

<中米><南米><カリブ海系><アジア・オセアニア><アフリカ>
この5つのグループに大きく分けて 各地域の共通する味を説明して 更にそこからわかりやすく各国の味わいの違いを簡単に書いていきます

中米

メキシコ/グァテマラ/エル・サルバドル/ホンジュラス/ニカラグア/コスタリカ/パナマ
太平洋と大西洋に挟まれた中米7カ国は 狭い国土の中 太平洋を望む山岳地帯に主要産地が広がり 偏西風をうけながらコーヒーの木が育つ環境です

 

環境が厳しければ厳しいほど 美味しいコーヒーの実をつけると聞いたことがあります
中米は両側を海に挟まれて 厳しい偏西風をうけて育つため 各国とも繊細でしなやかな味わいが特徴です

 

良質な酸味を持ったコーヒーを良いと評価される中 中米は各国とも評価の高いものが多いと思います
特にグァテマラ・コスタリカは世界でも有数のレベルの高い生産地です

中米 味わいのまとめ

生産地としてはレベルが高く 美味しいコーヒーが多い
全般的に繊細で奥が深く女性に好まれる味わいが多い ハズレが少ない

南米

ブラジル/コロンビア/エクアドル/ペルー/ボリビア
ブラジル・コロンビアの両国が世界総生産量の大半のコーヒー豆を担う まさにコーヒー大国 南米
南米と一口にいっても広く その国々において個々の味わいがあります

 

僕が今まで口にしてきた感想は コロンビア・エクアドル・ペルーは比較的味の傾向が似ているということです
味わいを表現すれば シャープな味わいと酸味が特徴 中煎り深煎り共に個性がでやすい
ブラジルは丸みを帯びた優しい味わいで 人間で言うところの誰にでも好まれるタイプです

 

ブラジルは特にブレンドで力を発揮し 協調性のあるタイプで個と個をブラジルを使うことにより つなぎあわせ新たな味を創造する そんなタイプです

南米 味わいのまとめ

南米といえば情熱の国なので味わいも情熱的かと思いきや 実はそれぞれ優しい味わいが多いのが特徴です

カリブ海系

ドミニカ/ハイチ/キューバ/ジャマイカ
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸が挟む海 どちらかというと中米よりの地理になります
この4つの国に中米グループに入れた「パナマ」もどちらかというと カリブ海グループに共通する柔和な味わいを持ち味をしており 中米とカリブ海系の中間的な存在として 僕はパナマ産のコーヒーをそうとらえています

 

キューバはクリスタルマウンテン ジャマイカはブルーマウンテンの生産地として有名です

 

このカリブ海系のコーヒーに共通しているのは 気候風土から優しい味わいが多いことです
これはたぶんコーヒー屋・焙煎屋の共通の認識だと僕は思っているのですが カリブ海系のコーヒー豆は深煎り(深焙煎)に向いていない ということです

深煎りにすると味わいの個性がなくなる傾向があり 主に浅煎り・中煎りで焙煎し販売しているお店が多いです

カリブ海 味わいのまとめ

カリブ海の気候風土から 浅煎り・中煎りが多く柔和で優しい味わいが特徴です

アジア・オセアニア

ハワイ/パプアニューギニア/インドネシア
知っていましたか?ハワイ島には「ヘビ」がいないんです ハワイ島でコーヒー栽培の仕事をしていましたが 確かにヘビに遭遇したことはありませんでした って関係ないですね

さて オセアニアは他にもインド・フィリピン・タイ・ベトナムがコーヒーを栽培していますが あまりお口にすることはないのではないか?と思いこのグループにはあえて入れませんでした(タイは最近お店でも目につくようになりました ベトナムはどちらかというとインスタントコーヒーの原料が多いようです)

この地域に共通する味わいは 変ないい方ですが「共通していないそれぞれの地域特性である個性をもっている」と言えます どれも個性的で「オセアニアに共通する味わい」を感じることは僕はありませんでした

インドネシアにしても独特の味わいがありますし パプアニューギニアやハワイも個性的です
島国だからでしょうか?「どれも力のあるコーヒーが多い」これが唯一共通するところだと思います

アジア・オセアニア 味わいのまとめ

ハワイ・パプアニューギニア・インドネシア(マンデリン)はどれも個性的な味わいで 力強さを感じる

アフリカ

タンザニア/ケニア/ウガンダ/ザンビア/エチオピア/イエメン

知り合いの方がアフリカに行く前に沢山の予防接種をしていました 予防接種の金額だけでも相当で アフリカに行くのは大変なんだなぁ~って思いました これも関係ないですね 笑

アフリカの中でも高品質コーヒーを栽培しているケニアの味わいは他の国よりも頭一つ抜きん出ており ヨーロッパでも高く評価されてきました エチオピアコーヒーも同じく高品質コーヒーはヨーロッパでも人気が高いです

味わいの共通点はアフリカ大地にあるのでしょうか 力強い味わいが特徴で伝わりにくい表現ですが「ワイルド」な味わいが多いです
イエメンはアフリカではないのですが アフリカよりなのでこちらのグループ属しました
エチオピアとイエメンだけは他のアフリカとはまた違う個性をもっており イエメンはモカマタリという名称でモカまったりした味わい ってしょーもないダジャレは抜きにして 独特の発酵したようなフレーバーがあります

エチオピアのモカはどちらかというとフルーティな香りがして イエメンがこってりならエチオピアはあっさりな味わいです

アフリカ 味わいのまとめ

サバンナのイメージ通り コーヒーの味わいも力強くしっかりとしている
とりわけケニアの高品質コーヒーは非常に価値が高い
イエメン・モカマタリはこってりで エチオピアモカはあっさりとした味わい

まとめ

深焙煎グアテマラ

・コーヒー豆はアラビカ種の方が美味しい
・お店やメーカーによって同じ産地のコーヒーでも味は違う・焙煎度合い
・浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りによっても味が変わる

産地での大まかな違い
・中米 味わいのまとめ
生産地としてはレベルが高く 美味しいコーヒーが多い
全般的に繊細で奥が深く女性に好まれる味わいが多い ハズレが少ない
・南米 味わいのまとめ
南米といえば情熱の国なので味わいも情熱的かと思いきや 実はそれぞれ優しい味わいが多いのが特徴です
・カリブ海 味わいのまとめ
カリブ海の気候風土から 浅煎り・中煎りが多く柔和で優しい味わいが特徴です
・アジア・オセアニア 味わいのまとめ
ハワイ・パプアニューギニア・インドネシア(マンデリン)はどれも個性的な味わいで力強さを感じる
・アフリカ 味わいのまとめ
サバンナのイメージ通り コーヒーの味わいも力強くしっかりとしている
とりわけケニアの高品質コーヒーは非常に価値が高い
イエメン・モカマタリはこってりで エチオピアモカはあっさりとした味わい

いかがだったでしょうか?かなり長くなってしまいましたが 最後のまとめを読めばコーヒー種類の違いがなんとなくおわかり頂けたと思います
コーヒーは複雑でデリケートでわかりにくいところが沢山ありますが この記事がなにかのお役に立てれば嬉しく思います 長文になりましたが お読み頂きほんとうにありがとうございます!

いつもありがとうございます
焙煎アーティスト 島規之

 

 

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島 規之

珈琲焙煎を究めるために ハワイ島のコーヒー農園で通算6ヶ月働く その後 2002年にコーヒー豆専門店 自家焙煎 島珈琲 を開業 焙煎を究めるアーティストを目指し  日々珈琲焙煎と向き合う 「のほほんと心穏やかに」をモットーとし お客様に 「美味しいコーヒー豆と愛を届けること」に毎日全力を注ぐ

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